赤ちゃんを育てていて、私が一番辛いのは
着たい服を着られないこと!
服はその日1日の、気持ちの指針となり、纏う物語であり、
自分の心と社会の繋がり方を決める大事な大事なナビゲーターなのです。
あぁ、しかし、
ワンピースはもちろん着られない。授乳できないからね。。
ジュエリーもだめ、
固いボタンがついたものも赤ちゃんを傷つけてしまうからダメ。
シルク、シフォン、オーガンジー、キュプラ、薄いリネン、
あぁ、全部ダメ。
神様助けて。。。私、、私、、、
このままじゃ息ができなくなっちゃうっ!!!!
今までずーーーーっと休まず家事と育児を続けてきて、10年が経ち、
家族にお願いをしてみることにしました。
「1年のうち1日で良いので、家事と育児をお休みさせてください」
9歳の息子は淡々と
「オッケー母さん。いつ?メモ帳に書いておくよ」
と(笑)。
ほんと、彼はいつも淡々としているのです。
主人も賛同してくれ、楽しみすぎるお出かけ。
オペラシティギャラリーは行きたいなー♡
庭園美術館にも行きたい。
国立博物館にも。
ベルクでポークアスピック食べたい!
そうだ、伊勢丹もじっくり見て回りたい。
下北沢B&Bも行きたいし、
書皮の素敵なブックスルーエにも行きたい。。
本をゆっくり読みたいし、
なにより、、、なにより、、、
着たい服を着たいっっっ!
romeo gigliのアシンメトリカルなシルクのトップス
母からもらったパールのネックレス
45rpmのBFジーンズ
うーーーん♡
saint james
愛しのギャルソンのロングフレア。
クリーニングに出す度に
「あの、これしわが取れないんですけど」
と言われるけれど、こういう加工なのです。
ラフなトップスとボリューミーなスカートの繋ぎ役に
インパクトジュエルを。
ああ、でも
祖母から母へ、そして私へと受け継がれているトレンチコートを着たい!!!
そうだそうだ、そうしよう。
ということで、
こんな感じかなーー♡
ジョンスメドレーのニット、
ジャーナルスタンダードのカーディガン、
ローマで買った古着の皮パンに
母から譲ってもらったシルクのストール、
インパクトジュエルを重ねて
バッグはanteprimaかなーーー。
靴はrepetto。
少し辛口だから、
髪の毛はゆるふわにしようーー♡
トレンチコートは祖母がイギリスに行った際に買ったもの。
襟を立てて、コンパクトにまとめることができて、
シルエットが美しい。
素晴らしく質が良くて、え、どのくらい経ってるんだろう。。
60年くらい経ってるんじゃない、ひょっとして!!!!
すごい!
母は彫金の仕事をしていたので、この2つは母が作ったもの。
今はもう、仕事は辞めてしまっているので、
作業場に所狭しと並ぶ工具を眺めながら
「これどうしよ、、、」
と言っています。
私は母のような技術力も才能もないので、いや言い方を変えよう!
母とは違う素質があるので!
受け継ぐことができなかった。。。。
ストールのフリンジが好き。。
スエードの質感も好き。。
洋服。衣服。布。色。形。
私を魅了してやまない、色と形と手触りの総合芸術。
フランス人の母親宜しく、
母は私が子供の頃、私が望む服を全く与えませんでした。
つまり、
歩くたびにキュッキュキュッキュ言うピンクのゴムの靴。
社交界に憧れるも身分がそぐわぬ宿屋の娘がその憧れを極端にひた走らせた結果、
過剰にフリッフリになってしまったドレスのような、化繊の3段スカート。
綿にペッタリとプリントされた花柄。
フワフワのショッキングピンクのバッグ。
どんなに憧れても、それらは全く買ってもらえず、
そのかわり、母の審美眼に叶った服が箪笥の中に並んでいました。
モスグリーン、ワームグレー、ネイビー、小豆色、枯茶、
祖父母からの潤沢なサポートもあり、
質の良い、そして渋ーーーい服を着て育った私は、
今になって母にとても感謝しています。
妥協してくれなくてよかった。。。
服のシルエット、トップとボトムのバランス、
出かける前に必ず批評が入り、イラっとしながらも
的確な指摘を避けることができず大急ぎで着替えるといった日々を過ごし、
気づけば私も立派な洋服ラバーになっていました。
今からお出かけの日が本当に本当に本当に
楽しみ!
魂の救済の日!それくらいに楽しみすぎる!
そして、母なる君よ!
そんな時に限って当日子供が熱を出しがちなことも忘れずに!