去年の夏、ひょんなことから
「落語をやりたい!」と言い始め、地元の夏祭りで披露させて頂き、
それがきっかけで、いろいろ場所で
高座をさせていただくことになった息子。
今年からクラブ活動も始まり、勉強も忙しく、
週に3回の空手、ほかにも習い事が。。。
という中で、落語の稽古時間が取れず、
6月の辻堂でのイベントが、最後の高座となりました。
上の写真は、去年の秋に高座をさせて頂いた際に、
ご覧くださって、お褒めくださり、
似顔絵まで描いてくださった、
画家邦山さんの作品。
ありがたいことです。。
場所は家族で仲良くさせていただいているマスターの名店、
LAMA Coffee
10年前にできたそのカフェ。
初めて足を踏み入れたときの深い感動を忘れません。
時が止まったような、どこかに旅をしているような気持ちにさせくれる、
そんな場所に、主人も私も惚れてしまったのでした。
通り総てがお祭りになる
その日のメニューはイベント仕様に。
だんなさま渾身の作のモバイル演芸場
お客様がみんなカラフルでおしゃれなの。
そして楽しそう。
空間を仕上げていくのは、お客様おひとりおひとりなのね。
と実感した瞬間でした。
入りきれず、脇から立ってご覧になる方も。。
出番前の息子と、マスターの愛息殿。
お客様や空間が、みーんなあたたかいので、
息子もいつもよりリラックスしているみたい。よかった♡私もホッと安心・・
さあ、始まりました。『元犬』
皆にかわいがられていた犬が人間になりたくてお参りをし、
めでたく人間になれたが、なにせ元が犬なので、どうやっても犬な対処しかできない、
というお話し。
“おおよしよし、お前は本当にきれいな犬だな。来世は人間に生まれ変わってこいよ。”
なんてんで、シロ公すっかりその気になっちゃった。
人間になっても、ちんちんするやら、お手をするやら、
あげくのはてには唸り始めて、ご隠居さんを引かせてしまいます。
そして、素晴らしいお客様のおかげで、ぶじ、最後の高座を終えました。
ラマで高座をやる!と言ったのには、素敵なご褒美が待っていると
知ったから、でもありました。
それがこれ。
ライターしずみん、またの名をお菓子職人しずみんが
息子に、と贈ってくれたロールケーキです。
あけてみます。
包み紙をはがすと
至福の黄金色にくるまれたクリームと果物が。
私はロールケーキが好き。
いろいろなお店のロールケーキを食べています。
うちの両親、特に母とだんなさまは、辛口批評人たち。
そんな面々が
うなりました。
ひとことでいえば、愛のエネルギーが高い。
技術や食材だけで生み出せる味ではないことは確かです。
この総合芸術は、しずみんが料理をする場所に宿る、
その場所だけに流れる時間の中に潜む魔法が織り成す
ある種の奇跡です。
多分しずみんは半分瞑想状態で作っているのだと思う。
目の前の素材をよく観察し、自分の手に宿った感覚とミキシングしながら、
しっかりと地に足をつけて作っているのだろうと、
そう思わせる芯の強い愛を感じました。
本当に素晴らしかった。
そして、あの日、小さな舞台の袖で高座を見ていた私は思いました。
あぁ、よいものというのは、結局お客様が作ってくれるのだな、と。
表現者の表現したもの、それはお客様が作ってくれているのだ、と。
彼の良いところが無理なく表に出ていて、
それをなんともあたたかく、そして集中して受け取ってくださるお客様の、
その素晴らしさ。。。
学ばせて頂いた気持ちです。
最後の高座で、あんなに素晴らしいお客様に聴いて頂いて、
息子も本当に、報われたと思います
(お稽古、泣いて、悩んで、もがいて、落ち込んで、本当に大変だったと思うから)。
あの場にいてくださったみなさま、本当にありがとうございました。
皆さんから頂いた動画データや自分たちで撮ったビデオも合わせ、
主人が編集してひとつの小作品にしてくれようとしています。
できあがりましたら、またこちらでお知らせします♡