このところ、ずっと心が沈んでしまっていて、
自分でもびっくりするくらい、麻央さんの旅立ちは大きな悲しみでした。
麻央さんは元気になれるはずだったのに
私も麻央さんの命の灯火の力に、どこかでなれたかもしれないのに、
なにもしなかった。。
そんな想いが浮かんできては、
「馬鹿馬鹿しい。君など何の力にもなれないよ。
知り合いでもなんでもないし、君じゃなくても他の人が支えてくれているはずだ。」
と、私の頭が、心から湧き出る想いを打ち消して。。。
でもやはり、なにか途方もない無念さが、私を捉えて離さない日々を過ごしていました。
同じ頃、私は、奇跡が当たり前になってしまうこと、
について考えていました。
大好きな大好きな人と結婚するということ、
大好きな人と一緒に暮らせるということ、
大好きな人が私が作ったご飯を食べてくれるということ、
かわいい赤ちゃんが生まれるということ、
その赤ちゃんが笑ったり泣いたり、手を握ったり、足をバタバタと動かしているということ、
抱っこした時のやわらかなからだ全てと、
善玉菌の塊のようないい匂い、
願ってやまなかった奇跡が目の前にある。
でも、目の前にあり続けると、それが当たり前になっていく。
感謝の気持ち、ありがたいと思う気持ちが薄れていく。
それが良いとか悪いとかということではないんだけれど、
そのことについてずっと考えていたんです。
昨晩、稲葉俊郎先生という医学博士が、
麻央さんの死について、人の死について、生きることと死ぬことについて、
そして、表現すること、芸術と生死との関わりについて、
Facebookで書かれていた言葉を読みました。
先生の言葉を読んでいくうちに、
奇跡が当たり前になること、
感謝、ありがたみが薄まっていくこと、
それは
生と死が、切り離されているから、なんだと気付きました。
死との対話の中で、生が鮮やかに浮かび上がる。
生きたいと願う。
愛に気づく。
日々、死を意識して生きているかた、どのくらいいらっしゃるでしょうか。
常に死と隣り合わせだと感じながら日々を暮らしている方。。。
そう多くはないのではと思います。
麻央さんが生きてくださったこと、旅立たれたこと、
海老蔵さんが、愛の形というものを、
わたしたちという見知らぬものにまで、見せてくださったこと、
おふたりのおかげで、そして稲葉先生の言葉のおかげで、
生と死の繋がりが私たちに与えてくれる、
「生きている感覚」、
「愛する」ことが起こせる物理的な力、
「奇跡」という瞬間にして永遠のエネルギー、
そしてそれらが日々の暮らしと、どのようにつながっていくのかということ、
それが少しわかったような気がします。
ラウラミーカは、
生と死の深き対話に、もっともっと深くコミットメントしたいと思います。
生きること死ぬこと、
そこにある悲しみと、悲しみの奥にある、
生きるという甘美な行為に、
もっともっと深くアプローチしたいと思います。
生きる感覚をもっと鮮やかにしたい。
あの世とこの世をもつなげていきたい。
そんなものづくりをしていきたいと、そう思います。
生きるということの、なんという美しさ。
その美しさには、
悲しみ、
郷愁、
切なさ、
人恋しさという通奏低音が、
常に流れています。
愛すること、怒ること、憎むこと、恨むこと、労わること、
慈しむこと
人の心は愛おしいです。
おひとりおひとりの心にもっと深く寄り添い、
ビビッドに生きていくお手伝いをしたい。
それが私の、ラウラミーカの、強い想いなのだと、
そんなことを、麻央さんから教えていただきました。
ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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